トップページ > 安心・安全まちづくり > 防犯優良マンション標準認定基準

第1 総則

1 目的
この標準認定基準は、「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針(平成18年4 月改正。以下「設計指針」という。)」を踏まえ策定したもので、各都道府県において地域の住宅・建築に係る公益的事業を実施する法人及び防犯に係る公益的事業を実施する法人が共同して防犯性に優れたマンションを認定する事業の認定基準の標準となるものである。

2 標準認定基準の構成
標準認定基準は以下により構成される。
(1)標準的事項
都道府県における防犯優良マンション認定制度において、認定に当たって必ず評価すべき事項。
(2)選択事項
必要性の高い事項ではあるが、マンション形態の多様性、対応の可能性等を考慮し、一律に標準的事項にすることは適切でない事項。選択事項については、各都道府県における判断により次の2つに分類される。
[1] 認定にあたって評価すべき対象として追加する事項
地域の犯罪状況等を考慮し、標準的事項に加えて都道府県において評価すべき事項として追加する事項。
[2] 推奨事項
対策を講じることが望ましい事項で、適合項目については認定時に認定証の特記事項として表示することが考えられる事項。

3 用語の定義
この標準認定基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)マンション
鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄骨造である共同住宅をいう。
(2)新築
新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものをいう。
(3)既存
上記の「新築」以外の住宅をいう。
(4)防犯建物部品等
「防犯建物部品等」とは、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」が公表している「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載された建物部品など、工具類等の侵入器具を用いた侵入行為に対して、[1]騒音の発生を可能な限り避ける攻撃方法に対しては5分以上、[2]騒音の発生を許容する攻撃方法に対しては、騒音を伴う攻撃回数7回(総攻撃時間1分以内)を超えて、侵入を防止する防犯性能を有することが、公正かつ中立な第三者機関により確かめられた建物部品をいう。
5 適用範囲
(1)対象とするマンション
新築、既存を問わず、全てのマンションを対象とする。
(2)基準の適用
この標準認定基準は、防犯優良マンション認定事業における設計段階審査及び竣工後審査において適用する。また、評価対象となる施設が設置されていない場合には、当該施設に係る基準は適用しない。
(3)基準の見直し
標準認定基準は、社会状況の変化や技術の進展等を踏まえ、必要に応じて見直すものとする。

第2 認定基準

1 標準的事項
(1)共用部分
[1]共用出入口
a 共用玄関は、道路及びこれに準ずる通路(以下「道路等」という。)からの見通しが確保された位置に配置されていること。
道路等からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 共用玄関には、オートロックシステムを備えた玄関扉及びその玄関扉を通過する人物を写す防犯カメラが設置されていること。
c 共用玄関の扉を含む開口部は、その内外を相互に見通せる構造となっていること。
d 共用玄関以外の共用出入口は、道路等からの見通しが確保された位置に設置されていること。
道路等からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
e 共用玄関以外の共用出入口には、防犯上有効な構造の自動施錠機能付きの錠を備えた扉が設置されていること。
f 共用玄関の照明設備は、その内側の床面において50ルクス以上、その外側の床面において、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
g 共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[2]共用メールコーナー
a 共用メールコーナーは、共用玄関、エレベーターホール又は管理人室等からの見通しが確保された位置に配置されていること。共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 共用メールコーナーの照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
c 郵便受箱は、施錠可能なものとなっていること。
[3]エレベーターホール
a 共用玄関の存する階のエレベーターホールは、共用玄関又は管理人室等からの見通しが確保された位置に配置されていること。共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
c その他の階のエレベーターホールの照明設備は、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[4]エレベーター
a エレベーターかご内には、防犯カメラが設置されていること。
b エレベーターは、非常時において押しボタン、インターホン等によりかご内から外部に連絡又は吹鳴する装置が設置されていること。
c エレベーターのかご及び昇降路の出入口の扉は、エレベーターホールからかご内を見通せる構造の窓が設置されていること。
d エレベーターのかご内の照明設備は、床面において50ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[5]共用廊下、共用階段
a 共用廊下及び共用階段は、各住戸のバルコニー等に近接する部分については、当該バルコニー等に侵入しにくい構造となっていること。
b 共用廊下及び共用階段は、乗り越え等による侵入が困難な構造となっていること。やむを得ず侵入が可能な構造となる場合は、道路からの見通しが確保されているか、面格子の設置等の侵入防止に有効な対策が講じられていること。
c 共用廊下及び共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[6]自転車置場・オートバイ置場
a 自転車置場・オートバイ置場は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置されていること。屋内に設置する場合には、構造上支障のない範囲において、周囲に外部から自転車置場等の内部を見通すことが可能となる開口部が確保されていること。周囲からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 自転車置場・オートバイ置場には、チェーン用バーラック、サイクルラックの設置等、自転車又はオートバイの盗難防止に有効な措置が講じられていること。
c 自転車置場・オートバイ置場の照明設備は、屋外に設置されている場合には、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において3ルクス以上、屋内に設置されている場合には床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[7]駐車場
a 駐車場は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置されていること。
屋内に設置する場合には、構造上支障のない範囲において、周囲に外部から駐車場の内部を見通すことが可能となる開口部が確保されていること。周囲からの見通しの確保が困難な場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 駐車場の出入口には、そこを通過する車両及び人物を写す防犯カメラが設置されていること。
c 駐車場の照明設備は、屋外に設置されている場合には、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において3ルクス以上、屋内に設置されている場合には床面において20ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[8]通路
a 通路(道路に準ずるものを除く。以下同じ。)は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置されていること。
b 通路の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、路面において3ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
[9]児童遊園、広場又は緑地等
a 児童遊園、広場又は緑地等は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置されていること。道路等からの見通しが確保されていない場合には、見通しを補完する対策が講じられていること。
b 児童遊園、広場又は緑地等の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、地面において3ルクス以上の平均水平面照度が確保されていること。
c 塀、柵又は垣等を設置する場合には、その位置、構造、高さ等は周囲の死角の原因及び住戸の窓等への侵入の足場となっていないこと。
[10]防犯カメラ
a 記録装置と一体化したシステムとして構成されていること。
b 有効な監視体制がとられていること。
c 見通しの補完、犯意の抑制等の観点から有効な位置に必要な台数が配置されていること。
d 防犯カメラを設置する部分の照明設備は、照度の確保に関する規定のある各項目に掲げるもののほか、当該防犯カメラが有効に機能するため必要となる照度が確保されていること。
[11]その他
a 屋上は、出入口等に扉を設置し、屋上を居住者等に常時開放する場合を除き、当該扉は施錠可能なものとなっていること。
b 屋上がバルコニー等に接近する場所となる場合には、避難上支障のない範囲において、面格子又は柵の設置等当該バルコニー等への侵入防止に有効な措置が講じられていること。
c ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置されていること。また、住棟と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置されていること。
d 集会所等の共同施設は、周囲からの見通しが確保されていること。

(2)専用部分
[1]住戸の玄関扉
a 住戸の玄関は、防犯建物部品等の扉(枠を含む。)及び錠が設置されていること。既存マンション(認定制度が施行される前に着工されたものに限る。)においてやむを得ずこれを満たさない場合は、補完する措置が講じられていること。
b 住戸の玄関扉は、外部の様子を見通すことが可能なドアスコープ等が設置されているとともに、錠の機能を補完するドアチェーン又はドアガードが設置されていること。
[2]インターホン
a 住戸内には、住戸玄関の外側との間で通話が可能な機能等を有するインターホン又はドアホンが設置されていること。
b インターホンは、住戸内と共用玄関の外側との間で通話が可能な機能及び共用玄関扉の錠を住戸内から解錠する機能を有していること。
[3]住戸の窓
a 共用廊下に面する住戸の窓(侵入のおそれのない小窓を除く。以下同じ。)及び接地階に存する住戸の窓のうちバルコニー等に面するもの以外のものは、防犯建物部品等のサッシ及びガラス(防犯建物部品等のウィンドウフィルムを貼付したものを含む。)、面格子その他の建具が設置されていること。既存マンション(認定制度が施行される前に着工されたものに限る。)においてやむを得ずこれを満たさない場合は、補完する措置が講じられていること。
b バルコニー等に面する住戸の窓のうち侵入が想定される階に存するものは、避難計画に支障のない範囲において、防犯建物部品等のサッシ及びガラス(防犯建物部品等のウィンドウフィルムを貼付したものを含む。)その他の建具が設置されていること。既存マンション(認定制度が施行される前に着工されたものに限る。)においてやむを得ずこれを満たさない場合は、補完する措置が講じられていること。
[4]バルコニー
a 住戸のバルコニーは、縦樋、階段の手摺り等を利用した侵入が困難な位置に配置されていること。やむを得ず縦樋又は階段の手摺り等がバルコニーに接近する場合には、面格子の設置等バルコニーへの侵入防止に有効な措置が講じられていること。
b 専用庭を配置する場合には、その周囲に設置する柵又は垣は、侵入の防止に有効な構造となっていること。

2 選択事項
(1)共用部分
[1]管理人室
管理人室は、共用玄関、共用メールコーナー(宅配ボックスを含む。以下同じ。)及びエレベーターホールを見通せる構造となっているか、または、これらに近接した位置に配置されていること。
[2]共用メールコーナー
郵便受箱は、壁貫通型となっていること。
[3]共用廊下、共用階段
a 共用廊下及び共用階段は、それぞれの各部分、エレベーターホール等からの見通しが確保され、死角を有しない配置又は構造となっていること。
b 共用階段のうち、屋外に設置されるものについては、住棟外部から見通しが確保されていること。
c 共用階段のうち、屋内に設置されるものについては、各階において階段室が共用廊下等に常時開放されていること。
[4]通路
通路は、周辺環境、夜間等の時間帯による利用状況及び管理体制等を踏まえて、道路等、共用玄関、屋外駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置されていること。
[5]児童遊園、広場又は緑地等
塀、柵又は垣等は、領域性を明示するよう配置されていること。
[6]その他
a ゴミ置場は、他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されていること。
b ゴミ置場は、照明設備が設置されていること。

(2)専用部分
[1]インターホン
a インターホンは、管理人室を設置する場合にあっては、住戸内と管理人室との間で通話が可能な機能等を有していること。
b インターホンは、共用玄関に設置された専用カメラの映像を写すモニター機能を有していること。
[2]バルコニー
a 住戸のバルコニーの手摺り等は、プライバシーの確保、転落防止及び構造上支障のない範囲において、周囲の道路等、共用廊下、居室の窓等からの見通しが確保された構造となっていること。
b 接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシーの確保に配慮しつつ、周囲からの見通しが確保されていること。